ウッドピタの地震防災コラム

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防災2015年6月26日

地震への備えは防災グッズを揃えるだけでは安心できない。

こんにちは。

相変わらず、日本のどこかで地震あり、火山の噴火あり。
「テレビのテロップで地震速報が出ても、震度3ぐらいでは驚かなくなってしまった」という方も多いのではないでしょうか。“慣れ”は怖いですね。
大きな地震が起きるたびに地震への備えも叫ばれていますが、
それもまた、何度も聞きすぎて、耳の中を素通りしていないでしょうか。
以前に準備した防災グッズの中には、もう古くて使えないものがあるかもしれません。
身をひきしめ、地震に備えて私たちができることをもう一度確認しておきましょう。

目次:

↓ 身近に置いておきたい、身を守る道具。

↓ 安全な家に住むことが一番の防災。

↓ 家族で避難行動をシミュレーション。

↓ 本当に必要な防災グッズとは?

↓ 地震への備え・まとめ


身近に置いておきたい、身を守る道具。


「うちはちゃんとリュックに防災グッズを詰めてあるから大丈夫」という皆さん、それは 地震の揺れがおさまり、周囲の状況がわかってから始まる“被災生活に必要なもの”ではありませんか? 実際に地震が起きた直後には、まず身の安全の確保が第一で、そのために必要なグッズがあります。
例えば、夜寝ている時にグラグラッ!と来たら、飛び起きたあなたはどんな行動をとるでしょうか。暗闇で周囲がよく見えません。停電したのか、室内灯は点きません。暗いと人はパニックに陥りがちです。その時に懐中電灯が手を伸ばすところにあったら、ひと安心ですよね。
懐中電灯を点けてみると、足元は棚から落ちてきた本や、タンスから飛び出した衣服、デスクの上から滑り落ちてきたCDやパソコン等でもうグチャグチャ。よく見ると花瓶が落ちて割れたようで、ガラス片も混じっています。こんなところを素足で歩いたら、それだけでケガを負ってしまいます。万一の時の用心に、日頃からスリッパやスニーカーを置いておき、慌てて裸足で飛び出さないように心がけましょう。キッチンは食器などの割れ物が多いので、なおさら素足では入らないようにしましょう。
余震の心配もあります。余震のほうが大きい場合も…。机の下のように潜り込んで頭部を守れる場所があればいいのですが、何もない場合はヘルメットも手近なところに用意しておきたい防災グッズの一つです。



寝室に置いておきたい防災グッズ


寝室に置いておきたい防災グッズ


安全な家に住むことが一番の防災。


でも、ちょっと待って。大地震になったら、タンスや本棚から物が落ちてくるだけで済むのでしょうか? 寝ているあなたの上にタンスが倒れてくる心配はありませんか? タンスが倒れて、一つしかない出入口をふさいでしまう可能性はありませんか? 倒れたり移動したりしないように、家具を固定しておくことは必須の防災対策です。
さらに、よ~く考えてください。どんなにしっかり家具を固定しても、住んでいる家自体が潰れてしまっては元も子もありません。命の危険にも大きく関わってきます。このコラムで何度もお伝えしていますが、ご自宅の耐震性に疑問をお持ちの方は、ぜひ早めに耐震診断を受けて、耐震補強を実行してください!


耐震性の確認

こんな建物が地震の揺れに弱い
家具の固定 ガラスの飛散防止


家族で避難行動をシミュレーション。


東日本大震災で過去の津波被害を教訓にして、自分の身は自分で守ることや、普段から災害を意識して行動することの大切さが謳われています。
自宅の最寄りの避難場所(自治体が指定しています)を確認しておくのもその一つです。その場所と道順を、家族一人一人が確認しておきましょう。避難する人々の流れに巻き込まれて家族がバラバラになってしまう危険もありますから、一人になっても避難場所にたどり着けるように、お子さんにもしっかり道をおぼえさせてください。
その際、危険箇所をチェックしておくのもポイントです。崩れやすそうな塀のそばには近づかない、大きな看板の下は通らない、等々です。さらに、この避難経路がいざという時に建物の倒壊などで通れなくなっていることも想定し、迂回路も含めて確認しておきましょう。


避難経路の 確認 家族間の取決め

また、地震発生時の行動を、家族でよく話し合い、できればシミュレーションしておきましょう。家庭内防災訓練です。
自宅にいる時に地震が起きたら、揺れがおさまるまではどうするか。夜だったら? 昼間だったら? 子どもだけだったら?
②揺れがおさまってからはどうするか。家のドアは開けられる? を使っていたら? ケガをしていたら?
避難する時はどうするか。誰が防災グッズのリュックを運ぶ? 動けない病人や高齢者がいたら? 外出している家族との連絡は?(携帯電話はつながりにくくなります)
……と、ご家庭ごとにいろいろな想定ができますよね。「わが家の防災計画」をぜひ立ててください。



本当に必要な防災グッズとは?


防災計画の中には防災グッズも含まれます。大地震が発生した場合、自宅にとどまるにしても、家族で避難所に行くにしても、公的援助が来るまでの「水と食料3日分」というのがこれまでの基本でした。しかし、南海トラフ巨大地震の想定では、被災地域が広範囲にわたるため公的援助が行き届かない可能性があり、「一週間分以上の確保が必要」とも言われています。
さらにガスも電気もない被災後の生活を考えると、「あれも、これも」とどんどん増えていって、リュックに入りきらなくなってしまいます。そこで、やみくもに防災グッズを集めるのではなく、少し整理してみましょう。それぞれの役割を考えると、揃えるべき優先順位が見えてきます。


家に備蓄しておきたい!

避難時に持ち出したい!
できれば日常でも身に着けていたい!
もちろん、ここに挙げたグッズが全てではありません。
 ご家庭の事情に合わせて必要なものを揃えてください。

(参照:消防庁HP 防災マニュアル
http://www.fdma.go.jp/bousai_manual/too/tool.html)



地震への備え・まとめ


大地震が起きたら、市町村の公助、町内会やご近所との共助も必要ですが、まずは自分たちが日常的に地震に備えることが、万一の時の自助につながります。
ただ、想定を広げすぎると収拾がつかなくなりますし、四六時中緊張しているわけにもいきません。考え方の基本は、身の安全を守ること。それと、防災グッズも進化していきますし、防災そのものの対策方法も新しい考え方が取り入れられたりします。時々はホームセンター等の防災グッズ売り場やインターネットで情報をチェックしておいてくださいね。