ウッドピタの地震防災コラム

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防災2018年7月6日

大阪地震から考える 地震発生時の街中での行動

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この度の大阪北部を震源とする地震により、亡くなられた方々のご冥福を謹んでお祈り申し上げますとともに、被災された方々およびそのご家族の方々には、心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復興と皆様の心身のご健康を心よりお祈り申し上げます。


こんにちは。
平成30年6月18日午前7時58分 大阪府北部を震源とするマグニチュード6.1の地震が発生しました。
各地の震度は大阪市北区、高槻市、枚方市、茨木市、箕面市で震度6弱、
京都府京都市、亀岡市などで震度5強を記録。
大阪府という都市部の、通勤・通学時間帯を襲った地震ということで
これまでに様々な被害が報告されています。
首都直下型地震や南海トラフ地震の発生も懸念されている今、
街中でもし大地震に遭遇したら、私たちはどのような行動をとるべきなのか
この機に一度考えてみたいと思います。



目次:

↓ 街中で地震が起きたら 屋外、店の中で

↓ 乗り物の中で地震が起きたら 電車、地下鉄、車で

↓ オフィスで地震が起きたら ビル、エレベーターで

↓ 大阪地震から考える 地震発生時の街中での行動・まとめ



街中で地震が起きたら 屋外、店の中で


住宅街


大きな地震が起こるとき、私たちは必ずしも自宅にいるとは限りません。
自宅を離れ街中を歩いている最中に地震が起こった場合、
どのような点に注意するべきなのかをご紹介していきます。
まず、危険なのは建物の倒壊・落下物です。大阪の地震では小学校のブロック塀が倒壊し、
被害者が出るという大変痛ましい事故が起きてしまいました。
街中を歩いているときに緊急地震速報が鳴ったら、すぐにブロック塀から離れてください。
電柱や自動販売機も倒れてくることがありますので、側から離れるようにしてください。
また、建物からは破損した看板や窓ガラス、コンクリート、タイル、
エアコンの室外機、プランターなどが降ってくることが考えられます。
さらに、強い揺れが起こると耐震性能の低い住宅が倒壊する危険性もあります。
持っているカバンなどで頭部を守りながら、直ちに建物から離れてください。
近くに新しいビルなどがあれば、一時的に中に入って避難するのも有効です。
道路の近くでは、地震のパニックでハンドル操作を誤った車が暴走する恐れがあります。
なるべく車道には近寄らないようにしましょう。

買い物中にお店の中で地震が起きたら、カバンや買い物かごで頭を保護します。
その場にかがんで身を守り、余裕があれば商品棚から少しでも離れるようにしてください。
お店では日頃から消防署の指導の下、避難訓練が行われているはずです。
地震が起きたからといって慌てて出口に殺到するようなことはせず、
店内アナウンスや店員の指示に従うようにしましょう。
また、普段からよく行くお店の避難口を確認しておくことも重要です。




乗り物の中で地震が起きたら 電車、車で


大阪地震は、朝の通勤・通学ラッシュの時間帯に起こりました。
その影響で、大阪のJRや私鉄、地下鉄が全面的に運転を見合わせる事態となり、
多くの人が駅から動けなくなったり、電車内に閉じ込められたりするなどの混乱も発生しました。
もし電車に乗っているときに地震が起こったら、私たちはどう行動すべきなのでしょうか。
基本的に電車は地震を感知すると、すぐ緊急停止するようにできています。
緊急地震速報と連動して、揺れる前に停止するシステムを導入している鉄道会社もあります。
緊急停止に備えて、座席に座っている場合は頭部を鞄などで保護し、
立っている場合はつり革や手すりをしっかりと握って横転しないように注意しましょう。
なお、地震で緊急停止した電車は安全が確認できるまで運転を再開することができません。
線路へ降りて歩いて避難する場合もありますが、くれぐれも自己判断で電車の外に出ることはやめてください。
周辺の安全確認や応援の手配が完了するのを待ち、乗務員の指示に従って避難するようにしましょう。
地下鉄では停電になっても非常灯が1時間程度は点灯するので慌てずに行動してください。

車の運転中に大地震が発生したときは、周囲の状況を確認しながらハザードランプで注意を喚起し、
ゆっくりとスピードを落としながら道路の左側に車を寄せて停止させます。
慌てて車外に飛び出すと危険なので、揺れがおさまるまでは車内に待機し、
ラジオなどでニュースや地震情報、交通情報を収集しましょう。
東日本大震災では、車で避難しようとした人が、散乱した瓦礫や、信号機や踏切の故障、渋滞などにより、身動きがとれなくなるということが起きました。
津波からの避難等でやむを得ない場合を除き、車は置いて避難しましょう。
その時、エンジンは止めてサイドブレーキをかけ、キーをつけたままにしてください。
窓は閉め、ドアのロックは開けておきます。
電波式のキーレスエントリーキーの場合は、キー本体を車内の目立つ場所に置き、
キーに内蔵されている補助キーのみを持って避難します。
連絡先を見えるところに書き、車検証などの貴重品を持ち、徒歩で避難してください。
これらは、乗り捨てられた車が救急車両や緊急車両の通行の妨げになった場合、
車を速やかに移動できるようにするための対応です。




オフィスで地震が起きたら ビル、エレベーターで


最後に、オフィスで地震が起きた場合です。
緊急地震速報を受信したり揺れを感じたりしたら、机の下にもぐり落下物に注意してください。
その際、体が机の外に出ないように机の脚などをしっかりと握ります。
また、窓ガラスから離れることも大切です。割れたガラスの破片が周囲に飛び散る恐れがあります。
そのほかにも背の高い戸棚、コピー機、蛍光灯の真下などから可能な限り離れ、
落下物が少なそうな場所で身を守ってください。
その後、完全に揺れが収まってからケガの有無などを確認しつつ、
周囲の状況を把握して行動をするようにします。
備え付けのヘルメットなどをかぶって順番に屋外へ退避しましょう。
エレベーターが動いたとしても絶対に使わず、階段を使い避難してください。
出入り口から外へ出る際には、頭上からの落下物に注意してください。
ガラス、タイル、看板など、落下物の直撃を受けて大怪我をしては大変です。

エレベーターの中で強い揺れを感じたらまず、全ての階のボタンを押しましょう。
もしどこかで止まったら、その階で降りて非常階段で脱出してください。
エレベーターに閉じ込められてしまったら緊急通報ボタンを押して、
管理会社と連絡を取り救助を待ちましょう。
管理会社自体にインターホンがつながらなかったら、
携帯電話などで警察や消防に通報し、落ち着いて救助を待つようにしてください。




大阪地震から考える 街中での地震発生時の行動・まとめ


以上、ごく一部ではありますが、街中で地震に遭遇した場合の対処方法でした。
今回の大阪地震のように、大きな地震はいつ何時、どこで起こるか分かりません。
大地震で被災した時、落ち着いて適切な行動がとれるかどうかは
避難訓練や非常用持ち出しグッズの準備、耐震補強など日頃の防災意識・防災行動にかかっています。
いま一度、家族や職場で地震防災について話し合い、イメージトレーニングをしておくことをおすすめします。

本コラムも、情報による防災支援を通じ、みなさまの安全の一助になれることを願っております。