ウッドピタの地震防災コラム

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防災2019年12月16日

大掃除とご一緒に!年末の防災対策

大掃除とご一緒に!年末の防災対策

今年も残すところあとわずか。
2019年も沢山の地震や台風、水害などに見舞われた年でした。
2020年は災害による被害が少しでも減ることを願うばかりです。
さて、この時期になると各ご家庭や会社などで多くの方が大掃除をするのではないでしょうか。
例年通りの掃除をただ行うだけでもいいのですが、せっかくの機会なので
掃除のついでにできる防災対策をはじめてみませんか。
今回のコラムでは、年末の大掃除と併せてできる防災対策をご紹介していきます。
家庭の場合と会社の場合でチェックすべきポイントをそれぞれ見ていきましょう。



目次:

↓ 家の大掃除と一緒に防災対策

↓ オフィスの大掃除と一緒に防災対策

↓ 防火対策のチェックポイント

↓ 大掃除とご一緒に!年末の防災対策・まとめ




家の大掃除と一緒に防災対策


断捨離という言葉がすっかり世間に浸透しましたが、
大掃除のタイミングで要らなくなった物を思い切って処分するのは、
実は防災の観点からも非常に有効なことだと言えます。
地震による負傷の30%~50%は家具類の転倒・落下・移動が原因です。
掃除を機に、なるべく部屋から物を減らし
残すものは極力クローゼットや据え付けの収納スペースに納めることで
物の転倒や落下のリスクを抑えられます。
また、やむを得ず大きな家具を家の中に置く場合は、
万が一それらが転倒してしまっても避難の邪魔にならないよう
部屋の入口や廊下の近くを避けて配置することが重要です。
いずれにせよ一番の防災対策は、家具の転倒・落下・移動を防止すること。
掃除をしながら、以下の補強ポイントを確認して回りましょう。


〇 棚をL字金具で固定

棚をL字金具で固定
本棚などの大きな家具は、L字金具を用いて壁に固定。上向き・下向き取り付け式があり、下向き取り付けの方が高強度。

〇 背の高い家具を突っ張り棒で固定

背の高い家具を突っ張り棒で固定
賃貸など、壁に穴が開けられない家の場合は、ポール式器具(突っ張っり棒)がおすすめ。粘着マットやストッパーとの併用で更なる耐震効果も。

〇 家具の底を粘着シート・ストッパーで固定

家具の底を粘着シート・ストッパーで固定
家具の底と床の間に挟み込んで使用する補強器具。ストッパーはくさび状になっており、家具を壁側にやや傾斜させる。突っ張り棒との併用がオススメ。

〇 照明器具をチェーンで固定

照明器具をチェーンで固定
吊り下げ式の照明はチェーンで固定。大きく揺れるのを防ぐ。

〇 窓にガラス飛散防止フィルムを貼る

窓にガラス飛散防止フィルムを貼る
窓掃除をしたついでに飛散防止フィルムを貼りつけ。ガラスが万一割れても部屋に飛び散らないように。ガラス部分のある食器棚にも有効。

〇 棚・扉にロック金具を付ける

棚・扉にロック金具を付ける
棚の扉を打掛などで固定。地震の揺れで勝手に扉が開いて中の物が落下するのを防ぐ。

オフィスの大掃除と一緒に防災対策


オフィスの大掃除をする際も、基本的には家と同じです。
汚れを落とすと同時に、不要な物を減らし、大きな物をしっかりと固定していきましょう。
特に大きなロッカーやキャビネットなどは要注意です。
下敷きになってしまったらひとたまりもありませんよね。
キャスターのついた印刷機も地震の揺れによって大きく移動し、
人にぶつかる恐れがあります。しっかりと固定しておきましょう。


〇 棚・扉にロック金具を付ける

パソコンは粘着マットでデスクに固定し、デスク同士も連結金具で固定する。

〇 ロッカー・キャビネットを金具で固定

L字金具で壁に固定。キャビネットの中には上下で分かれているものもあるので、連結金具でつないでおく。上に物をのせないようにする。

〇 コピー機のキャスターを固定

コピー機のキャスターを固定
キャスターの下に下皿を敷き、勝手に転がるのを防ぐ。ベルト式器具で壁とつなぐと更に安定する。

〇 パーテーションを固定する

パーテーションを固定する
倒れにくいパーテーションの置き方は、「H型」と「コの字型」。安定感のある置き方にして、床に固定する。

〇 窓ガラス

飛散防止フィルムを貼る。ガラスの付近には倒れやすい物を置かないようにする。

防火対策のチェックポイント


大掃除と一緒に身の回りの耐震補強を進められたら、いい機会です。
もうひと頑張りして、防火対策についても見ていきましょう。
まずは消火器の場所を再度確認すること。
普段生活する中であまり気に留めることがなくても、
こういう時にしっかりと確認しておくと安心です。
火災警報器の作動確認も行いましょう。
中には電池切れで動かなくなっているものがあるかもしれません。
その他、地震発生時の漏電や通電火災、ガス漏れ、石油ストーブによる出火など
火元になりやすい箇所を以下の通り入念にチェックしておきましょう。

電気
□ 電気コードはカーペットや家具の下敷きになっていないか
□ 不用な電気機器のプラグは抜いているか
□ 電化製品のそばに水槽や花瓶などを置いていないか
□ 分電盤の位置を把握しているか

ガス
□ プロパンガスのボンベは転倒しないよう、チェーンなどで固定しているか
□ 都市ガス・プロパンガスのマイコンメーターが有効期限内か
□ コンロのまわりは整理整頓され、燃えやすい物を置いていないか
□ ガスホースが劣化していないか

石油ストーブ
□ 石油ストーブのまわりに燃えやすい物は置いていないか
□ 石油ストーブの転倒防止を行っているか

その他
□ 廊下や階段など、避難経路になる場所に燃えやすい物を置いていないか
□ 隣の家と接している箇所に金属製の雨戸や網の入った窓ガラスを設置しているか




大掃除とご一緒に!年末の防災対策・まとめ


面倒なイメージがあって普段なかなか着手できない家具類の補強も、
大掃除と一緒のタイミングなら、無理なく進められるかと思います。
また、多くの自治体が家具転倒防止の施工に補助金を出しています。
より本格的な補強を行いたい場合は、こういった補助金を活用するのもひとつの手でしょう。
プロによる検査、見積、施工で、家具転倒のリスクをより低減させること可能です。
興味のある方はお住いの自治体WEBサイトへアクセスしてみてください。



参考文献
東京都『東京防災』