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ウッドピタスタッフブログ

2016年2月9日

阪神・淡路大震災を教訓に~復興の街の公園~

みなさんこんにちは
ウッドピタ中日本事業部の森です。
私は名古屋を中心とした東海エリアで耐震補強についての説明、建物の調査、
耐震設計計画の打合せ、耐震工事と木造建物補強の説明から竣工までを
担当しております。
昨年のこの時期に阪神の震災のことを書きました。
今年も少し遅れましたが関係することを書きたいと思います。

私は阪神の震災直後、現地に入ったことがあり、それから現在まで定期的に
神戸を訪れています。
神戸の街区が整備されて着々と立ち直ってゆくなか、市街地再開発で
建物は高層化、耐震化、不燃化、されました。
木造住宅が並んでいた震災前の神戸の暖かい町並みに比べてビルだらけになり、
その表情は大きく変ってしまい、
地面が好きな私は味気無いななどと思っておりました。


そんな中、今回神戸の灘区で良いものを見つけましたのでご紹介いたします。
それは「六甲道南公園」という復興計画のなかに盛り込まれた防災公園の役割を持った
広さ0.9ha、一時避難場所や荷受け仕分けスペース、井戸、耐震防火水槽を備えた
灘区役所の西隣に隣接した公園です。

この公園が生まれたいきさつをお話しします。
六甲道駅南地区は、神戸市の東部副都心といわれ5.9haのエリアの大部分が
低層の建物で構成された商業地と住宅地が混在していた町ですが、
震災により65%の建物が倒壊、JRの高架も崩落し甚大な被害を受けて
多くの方が亡くなられた場所です。

復興を図るべく震災わずか2か月後に復興市街地再開発事業の施工区域や施設など
大まかな都市計画を決定。
4つのまちづくり協議会を設立、公園を中心に6エリア14棟の再開発ビルを計画し
本計画は平成17年9月完成しました。 

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0510a02
※神戸市都市計画総局再開発課より



緩やかな南だれの土地に防災公園として都市計画上作られたただの公園ですが、
この公園には「バレー」と名付けられた巨大な坂のモニュメントがあります。

これは日本と同じ地震国のイタリアからの申し出を受け、
イタリアと日本の若手建築家や景観デザイナーが参加した国際コンペにより
作られたもので地震から希望に向かうことを表現しているそうです。

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今回訪れるにあたり、通常このような公園は計画上作られているだけで
使われていないのだろうなと殺風景な風景を想像していたのでとても驚いたのですが、
行ってみたらこの公園をとても多くの人が利用していたのです。
自転車、ボール、取っ組み合い・・・
たくさんの子供が大きな声をあげて様々な遊びをしています。
ビルに囲まれた町の中のただの公園に驚くほどの子供が集まり、
昭和の近所の公園のような光景が作られています。
暗くなっても大勢の子供が遊んでいます。
私も子供のころ遊びに夢中になり晩御飯に遅れてよく怒られたことを思い出しました。

他にも子供連れの家族がお弁当をたべていたり、お年寄りが犬と散歩をしていたり、
近所の人どうし立ち話をしていたり、いろいろな人が利用しています。

最近は皆が室内で画面を見ることに興じ、
めっきり見なくなった光景だけに感動しました。

公園風景


公園風景2

最近は、街や電車の中でスマートフォンやゲーム画面を見続けている
光景をよく目にします。
情報を得るだけなら大変便利なものですが、
それ以外でとりつかれているようで不気味な光景でもあります。

ファミレスの店員さんに聞いた話ですが家にこもって
ゲーム、3食ともファミレスのデリバリー、集金の間もゲームを離さない、
なんて人も珍しくないそうです。
脳科学者の話で、「人は周囲に認知してもらわないといけない動物で
そのために煩わしい人間関係の中で努力する」と話していました。
男女が苦労して相手に認めてもらう行動をして夫婦になるのも同じだそうです。

それが今やラーメンの写真を撮ってSNSにアップすると、
いとも簡単に仮の世界で現実の何十倍もの「いいね」と
認めてもらう認知を獲得することができ、
なにも現実の世界で周囲の人を相手に努力しなくても
簡単に満足を得られるので、中毒になってしまうのだそうです。
このような光景に「大丈夫かな」などと余計な心配をしていたので、
六甲道南公園の光景はとても新鮮でした。


人が集まれば汚れるものですが、みんなできれいに使っているようで、
トイレもきれいでゴミも落ちているようなこともありません。
再開発という無機質になりがちな都市計画の中で防災公園として作られた広場に
人が集まり、昔の近所の広場、神社の境内、長屋の通路のようなところまで
思い出させてしまうような六甲道南公園にひろがる光景はとてもすがすがしく、
見ている私をうれしい気持ちでいっぱいにさせてくれました。

しばらく利用者の一人として歩きながらその風景をながめていました。
しかしこの公園の素晴らしい光景は、
多くの人が亡くなった震災で出来たものなのです・・・。
ここで走り回る子供たちの幸せを祈らずにはいられませんでした。合掌


ウッドピタスタッフ 森
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